張 振亜

※インタビュアー:R

張振亜1張:よろしくお願いします。

 

-研究内容について

R:まずは先生の研究内容について聞かせてください。

張:研究内容は、バイオテクノロジやライフサイエンス等の知見を応用して,クリーンエネルギー,バイオマス 変換,廃棄物処理などの重要な要素およびその応用技術を循環型社会形成のために再構築する基礎的かつ応用的研究を行っています。テーマは,バイオマスを中心に大きくバイオガス,バイオエタノール,水環境浄化,機能性食品の4つのテーマに分かれています。

 

R:えっと、4つですか。

張:うん。4つです。一つはバイオガスの分野では高効率嫌気性バイオリアクタの開発を行って,馴養したメタノール資化性メタン菌を用いてビタミンB12の生産性やメタンの生成等について検討をしています。乾式メタン発酵についての研究では,発酵過程中における温度や水分,炭素窒素比率などの各パラーメーターによる発酵効果への影響を究明して,異なる発酵条件下での微生物群の解析,微生物反応動力学的な研究を行っています。

 

R:なんだか難しそうですね(苦笑)。

張:ちょっとね。もう一つは生物工学的手法を用いて、農林産物の残渣、藁などをエタノールへの変換技術の開発を行っています。特に効率的なリグノセルロース系の前処理法や糖化法の開発を目指しています。

 

R:3つ目はどういったものですか?

張:3つ目は日本の先端的の技術と中国伝統的の技術を融合した適性のある省エネー的生活排水処理技術の開発,その中で電気化学的手法および生物工学的手法を用いて水環境中の窒素源を脱窒して,環境浄化につなげる手法の研究を行っていますね。

 

R:へぇーすごいですね(驚き)。日本の先端技術と中国伝統的の技術の融合ですね。

張:4つ目は古米やオカラや焼酎廃液などの蛋白質系廃棄物、昆布残渣とか、ボタン皮とか、カバノアタケなど様々な未利用天然資源を利用し、高い抗菌,抗ウィルス性,抗がん,生理調整機能を持つ機能性食品を創出します。

 

R:ええ、面白いですね。食品も作れますか。

張:そうですよ。こういう研究は実用的なものですので、成果がでれば、社会に還元と貢献できますね。それが一番面白いところだと思います。また、こういう研究ができたら、中国でも日本いろいろなエネルギー変換や有用物質変換のプロジェクトもできるので、それが嬉しいです。

 

-研究室について

R:次に、先生の研究室について、ちょっと教えていただけませんか。

張:研究室ね。

 

R:はい。

張:うちの研究室には現在50人ぐらいがいます。

 

R:え、えー(驚き)、50人ですか。

張:そうだよ。50人。その中、博士は大体半数を占めています。学術雰囲気は大事だと思い、みんなは自由自在で研究したり、お互いによくディスカッションしたりしていて、研究教員とスムーズに連絡できるようになっています。

 

R:セミナーはどのようにやっていますか?

張:毎週必ずゼミをやっていて、みんなと一緒に相談しながら進めています。

 

R:その他何かイベントとかありますか?

張:イベントはね、毎年大体大きなイベントとしては、花見、卒業の記念会と忘年会3つかな。

 

-先輩の進路について

R:先生の研究室の学生が多いですが、卒業後の進路はどうなっていますか?

張:博士卒業生の三分の一は、日本と中国の民間企業に就職し、三分の二は大学の先生になっています。中国では、清華大学、天津大学、山東大学、中国石油大学、中国地質大学など、中国の重点大学の先生になる方が多いですね。

 

R:すごいですね。皆さん中国のトップレベルの大学の教員なのですね。

張:そうですよ。今まで先生になったのは20人ぐらいです。そういう卒業生が多いことは、うちの研究室のひとつの特徴だと思っています。

 

-学生に向けて

R:先生の研究室に入りたい学生さんはたくさんいると思いますが、学生さんに向けてメッセージをお願いします。

張:研究室では大体英語でコミュニケーションしているので、本研究室に興味がある学生はまず英語で交流できるようにして欲しいですね。

 

R:英語で交流できる能力と強い意思ですね。

張:はい。

 

R:その英語に関しては、TOEIC等目標値はありますか?

張:えっと、TOEICの点数なら700点以上が望ましいですね。でもそれだけではなく、真面目にやれれば、先輩や私たちがしっかりサポートしますから、きちんと努力する学生さんを期待しています。

 

R:張先生、本日はお忙しいなか、インタビューにご協力頂き、どうもありがとうございました。