大田 真彦

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【ご氏名と修了年度】

大田真彦(おおた・まさひこ)

2012年7月 持続環境学専攻修了 国際比較環境論研究室所属

(九州工業大学での海外派遣プログラム前の事前学習の様子)

 

【現在のご職業(就職先あるいは所属)】

九州工業大学学習教育センター准教授

https://www.kyutech.ac.jp/professors/wakamatsu/w7/w7-2/entry-4130.html

 

【お仕事の内容】

九州工業大学は、1909年設立の明治専門学校を前身とする100年以上の歴史を有する工業大学であり、「技術に堪能なる士君子」の育成を掲げ、多くの人材を排出してきました。同大学では、Global Competency for Engineers(GCE)教育を実施しています。これは、グローバル社会で活躍し続けることができる工学的人材を育成するための取り組みであり、グローバル教養、語学教育、留学生との協働学習、Study Abroad、およびWork Abroad(インターンシップ)の5つの柱から構成されます。

私は2014年11月より、GCE教育の取組みに貢献するために、同大学学習教育センターのグローバル・ラーニング支援部門に採用されました。現在、持続可能な開発などグローバル課題に関する教養科目の担当、海外派遣プログラム(事前・事後学習含む)の実施およびコーディネート、留学生と日本人学生の協働学習推進の仕組み作りなどに従事しています。これらと平行して、大学院時以来の研究も継続して実施しています。

 

【当専攻での研究内容】

私の専門は森林政策学、地域研究となります。持続環境学専攻所属時は、熱帯林の持続的管理のための制度設計と実施に関心を有し、特に国有林の政府と住民による共同管理の有効性に関する研究を実施しました。インドやインドネシアに長期滞在し、村落部でのフィールドワークを中心にデータを取得しました。博士論文のタイトルは、「中部インドの共同森林管理における政府-住民関係とその森林保全および村落開発への影響」でした。

 

【当専攻で印象に残っていること】

多様な分野の教員から構成されており、また、学生の研究テーマについて寛容な専攻であったと感じています。博士論文の審査においても、分野の異なる先生方から多くのコメントを頂き、その内容は今でも心に残っています。

 

【後輩へのメッセージ】

研究であれ社会活動であれ、自分の専門外のことも行うことをお勧めします。一つには、自分のキャリアを狭く限定せずに、様々な選択肢が広がるようにしておく意味があります。そしてもう一つ、バックグラウンドの異なる人たちと交流し、他分野の人たちの考えを聞いたり、自分の研究を理解可能なように説明したりすることを通して、自分の研究が相対化され、意外なヒントやブレークスルーが得られることがあります。

個人的な例で恐縮ですが、私は、大学院修了から現所属に至るまでの間、在インドネシア日本国大使館に経済担当の専門調査員として、そして東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局に日本の農林水産省拠出事業のアソシエイトコーディネーターとして勤務する機会を得ました。私の中では、これらの大学以外の世界での経験が、様々な形で現在の糧となっております。博士論文を書いている最中には難しいかもしれませんが、一つの意見として参考にしてみて下さい。